2022年1月24日から始まる天皇杯・皇后杯2022年全日本選手権大会(一般・ジュニアの部)(以下、全日本卓球)に向けて過去3大会の決勝を振り返る企画。
第3回となった今回は高校生同士の対戦となった2020年男子シングルス決勝は過去13年連続で決勝に進出していた水谷隼がシングルスで出場しなかった2020年大会は新しい時代にふさわしい、若い選手同士の戦いとなった。
(映像提供:NHK)
宇田幸矢は初の決勝となったが、一方張本智和は16歳ながら優勝経験もあり、優勝候補筆頭。両者は過去にダブルスを組んだこともあり、2018年のジュニアの決勝で対決した際は張本が勝っている。
試合は第1ゲームからどちらも譲らない一進一退の展開。ジュースとなった11‐11からこの日初めて宇田がリードを奪うと、フォアハンドを思いきり振りぬく積極性を見せ、宇田が13‐11で第1ゲームを奪った。
第2ゲームも拮抗した展開は変わらず。先に宇田が先行するも、張本が追いつく展開に。張本が途中4連続ポイントなどで攻めるも8‐9から宇田が一気にポイントを重ねて11‐9と逆転で勝利した。
張本は気持ちを切り替えて第3ゲームに臨む。思い切ったプレーで攻めて常に先行する展開で宇田に追いつかせず、8‐11でゲームを奪い、ゲームカウント2‐1とした。
第4ゲームも両者の拮抗した展開は変わらず。ゲームは再びジュースとなり、宇田がカウンターをうまく使い張本のバックに深く返す攻撃で12‐10とゲームを取り、優勝まであと1つとした。
第5ゲーム。追い込まれた張本が攻める。この試合3つ目のジュースとなる展開で、宇田がチャンピオンシップポイントを奪うも、張本が攻め切りゲームを取り返した。
迎えた第6ゲームは張本が力を見せる。張本が冷静にゲームを進め、序盤からリードを広げ6‐11で張本がゲームを取り、勝負は最終ゲームにもつれこんだ。
運命の第7ゲーム。張本が0‐3と先行したところで、タイムアウトを取った宇田。そこから気持ちを切り替えて接戦に持ち込む。どちらも強打を繰り返す早い展開。勝負は9‐9までもつれる死闘の末、最後まで信念を曲げず攻め抜いた宇田が悲願の初優勝を達成した。