男女シングルス準決勝・決勝が行われ、日本一が決定した。
【男子シングルス】
学生王者の田中佑汰(愛知工業大)との打撃戦を制し連覇を狙う戸上隼輔(明治大)は、準々決勝で全日本2021王者の及川瑞基(木下グループ)を壮絶なラリー戦の末下した篠塚大登(愛知工業大)と対戦。試合は序盤から篠塚が戸上のバック深くを攻めて、戸上のフォアハンド攻撃を封じることに成功。2ゲームを連取する。篠塚の厳しいバック攻めに戸上はフルスイングのバックドライブで対抗。1ゲームを返すと、ミドルへのレシーブから切れ味鋭い両ハンド攻撃を連発し、ゲームカウント3-2でリードを奪う。窮地へ追い込まれた篠塚だが、切れ味鋭いフォアハンド攻撃で戸上のバック側を厳しく攻めて、フルゲームへと持ち込む。最終ゲーム。序盤競り合うも、投げ上げサーブからの速攻で戸上がリードを奪う。篠塚の連続攻撃をバックハンドカウンターで弾き返し、戸上が10-7とマッチポイントを握る。最後は篠塚のフォアフリックをしっかりとブロックし、ゲームカウント0-2から逆転勝ちを収めた。
威力ある両ハンド攻撃が武器の吉山僚一(愛工大名電高)をシャットアウトして準決勝進出を決めた2018年大会王者の張本智和(IMG)は、国際大会で目覚ましい活躍を見せる宇田幸矢(明治大)を豪打で捻じ伏せた曽根翔(T.T彩たま)と対戦。曽根の威力抜群のバックハンドをしっかり止めて、1ゲーム目を張本がジュースで奪う。2ゲーム目も激しい打撃戦が続くも、要所で曽根のフォアサイドを攻めてゲームカウント2-0とする。流れを変えたい曽根がフォアサイドを攻めるも、張本はパワフルなフォアハンド攻撃で逆襲。3ゲーム目も連取し決勝進出に王手をかける。開き直った曽根が1ゲームを取り返し、迎えた第5ゲーム。ギアを上げたプレーで張本が大量リードを奪うも、曽根がストレートへの強烈なバックハンドで連続得点し、簡単に流れを渡さない。終盤まで競り合うも、集中力を増したプレーで張本が先にマッチポイント。最後は曽根のバックハンドがミスし、張本がゲームカウント4-1で決勝進出を決めた。
決勝戦は連覇を狙う戸上と2018年大会以来の王者返り咲きを狙う張本との対決となった。田中佑汰(愛知工業大)や篠塚大登(愛知工業大)といった実力者を打ち抜いてきたカミソリドライブで張本の堅いブロックを打ち抜き、戸上が1ゲーム目を先取する。2ゲーム目も戸上の勢いは止まらず、鋭いドライブを連発するが、何とか食らいついた張本が1ゲームを取り返す。第3ゲームも激しい打撃戦が繰り広げられる。序盤戸上がリードを奪うも張本が精度の高いストップレシーブで主導権を握り、ジュースに持ち込む。ストップ対ストップでは分が悪い戸上がチキータレシーブを連発し、ゲームポイントを何度も凌ぎ、17-15で第3ゲームを奪った。第3ゲームを制した戸上はロングサーブから強烈なバックハンドを叩き込み、ゲームカウント3-1とリードする。後がなくなった張本だが、戸上のミドルをバックハンドで攻めてラリーの主導権を握り第5ゲームを奪う。第6ゲームは更にギアを上げた戸上がチキータレシーブから威力のあるバックハンドを連発し、大量リード。最後は強烈なバックハンドを打ち込み、ゲームカウント4-2で勝利。戸上が連覇を飾った。
結果は以下の通り。
【準決勝】
戸上隼輔(明治大) 4[8-11, 6-11, 11-3, 11-8, 11-7, 7-11, 11-7]3 篠塚大登(愛知工業大)
張本智和(IMG) 4[13-11, 11-7, 11-6, 9-11, 11-8]1 曽根翔(T.T彩たま)
【決勝】
戸上隼輔(明治大) 4[11-8, 10-12, 17-15, 11-6, 7-11, 11-4]2 張本智和(IMG)
【女子シングルス】
鈴木李茄(トップおとめピンポンズ名古屋)に完勝し3年連続ベスト4入りの木原美悠(JOCエリートアカデミー/星槎)は、前回王者の伊藤美誠(スターツ)を下し、準々決勝ではフォアのミート打ちが武器の出雲美空(サンリツ)をパワフルなフォアハンド攻撃で撃破した横井咲桜(四天王寺高)と対戦。ミドルに短く止めてから両サイドに目にも止まらぬバックのミート打ちを決め、1ゲームを先取。ここまで伊藤や出雲といった前陣速攻型を中陣からのバックハンドで打ち抜いてきた横井が全く動けない。変化の激しいサーブからの速攻で2ゲーム目も木原が奪い、2ゲームを先行する。これ以上離されるわけにはいかない横井は木原の高速プレーにやや下がって対応し1ゲームを奪い返す。ともに相手のサーブに慣れ、第4ゲームは激しい打撃戦が展開される。ジュースへともつれるも、高い守備力を見せた木原がゲームを奪い、決勝進出に王手をかける。続く第5ゲーム。競り合いを制した勢いそのままに木原がゲームを優位に進める。最後は横井のバックを打ち抜き、木原がゲームカウント4-1で勝利した。
2017年王者の平野美宇(木下グループ)にストレート勝ちして準決勝へと駒を進めた2020年王者の早田ひな(日本生命)は、佐藤瞳(ミキハウス)を完璧なカット攻略で沈めた2021年大会王者の石川佳純(全農)と激突。両者は、2022 LION CUP TOP32で対戦しており、フルゲームの大接戦の末、早田が勝利している。第1ゲーム。序盤競り合うもバック対バックのラリーで打ち負けなかった早田が1ゲーム目を先取した。2ゲーム目以降、サーブレシーブで先手を取り続けた早田が石川を圧倒。ゲームカウント3-0とする。3ゲームを連取され、あとがなくなった石川がアグレッシブな攻撃でリードを奪うも、コート全域をカバーする粘りのプレーで徐々に追い上げた早田が逆転でマッチポイントを握る。最後は勝負をかけた石川の回り込みドライブがネットにかかり、ゲームセット。早田が決勝進出を決めた。
決勝戦は2019年大会以来4年ぶりの決勝進出で初優勝を狙う木原と2020年大会以来2度目の優勝を狙う早田の対決となった。第1ゲームは木原の前陣でのミート打ちを早田が中陣から逆襲する展開。互角の展開が続くも、早田のミドルを上手く攻めた木原が1ゲーム目を先取する。続く2ゲーム目、チキータレシーブから積極的に攻めた早田がリードを奪うも、中盤以降早田の攻撃に打ち負けなかった木原がジュースを制す。ゲームカウント2-0と木原リードで迎えた第3ゲーム。早田が緩急をつけた攻めで木原の打ちミスを誘って1ゲームを取り返すと、広角に攻めて木原のカウンターを躱し、ゲームカウント2-2のタイに戻す。徐々に木原のカウンターを前陣で打ち返せるようになってきた早田がゲームを優位に進め、第5ゲームも奪い、ゲームカウント3-2と王手を掛けた。迎えた第6ゲーム。両者攻めの姿勢を貫き、激しい打撃戦が繰り広げられる。ジュースへともつれ込むも、最後は木原のフォアハンド攻撃がオーバー。早田が逆転勝ちを収め、混合ダブルス・女子ダブルスと合わせて、女子史上4人目、自身初となる3冠を勝ち取った。
結果は以下の通り。
【準決勝】
横井咲桜(四天王寺高) 1[4-11, 8-11, 11-5, 10-12, 5-11]4 木原美悠(JOCエリートアカデミー/星槎)
石川佳純(全農) 0[7-11, 4-11, 5-11, 9-11]4 早田ひな(日本生命)
【決勝】
木原美悠(JOCエリートアカデミー/星槎) 2[11-9, 13-11, 5-11, 8-11, 7-11, 10-12]4 早田ひな(日本生命)
関連情報
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(公益財団法人日本卓球協会 広報委員会)