全日本卓球に向けて過去3大会の決勝を振り返る企画。第2回の今回は2019年女子シングルス決勝。伊藤美誠と木原美悠の一戦。
(映像提供:NHK)
18歳(文中の年齢は当時)にしてすでに実績十分の伊藤美誠に対し、14歳の木原美悠が挑む形になった決勝戦。伊藤は前年度に女子シングルス、女子ダブルス、混合ダブルスと3冠を達成しており、2019年もすでに女子と混合のダブルスを優勝し、女子シングルス決勝で勝利すれば2年連続で3冠達成となる。
一方木原はジュニアでは準決勝で大藤沙月に敗れるも一般の部では平野美宇、森さくらなど強豪選手に勝利して決勝に進んだ。
第1ゲームから木原が積極的に攻め、先にポイントを奪うも伊藤が粘りプレーを見せジュースに持ち込む。その後も木原はいいペースでゲームを進め、11‐10と勝利目前にして自らタイムアウトを取る。1ゲーム目への執念を見せる木原だったが、ここから伊藤がポイントを連取して逆転でゲームを取った。
2ゲーム目も接戦に盛り込んだ木原だったが、11‐9と敗れ、第3ゲームも流れを変えられずに11‐6とゲームを連取される。ゲームカウント3‐0とした伊藤が優勝にあと一歩と迫る。
後がない木原だったが、第4ゲーム序盤も伊藤ペースは変わらない。5連続ポイントなどでポイントを先行するが、逆に木原が思い切ったプレーで勢いを見せて流れを変える。伊藤が9-3と先行したところから、木原が5連続ポイントで9‐8とすると伊藤が流れを切るためにタイムアウトを取る。しかし流れを変えることはできず、木原が8連続ポイントで9‐11と逆転でゲームを取った。
そして迎えた第5ゲーム。伊藤は回転、フォアハンドなど変化のある攻め手を見せて木原にまったくの隙を見せない。最後は圧倒的な力を見せて勝利し、女子史上初の2年連続3冠を達成した。