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大会・試合 2025.01.22
男子シングルス3回戦で神巧也が大逆転勝利、今大会女子シングルス最年少の松島美空は3回戦敗退【全日本卓球】


『天皇杯・皇后杯2025年全日本卓球選手権大会(一般・ジュニアの部)』2日目となる22日(水)、ジュニア男女シングルス1回戦と2回戦、男女シングルスの3回戦を実施した。

大会初日から白熱している男子シングルスの3回戦は、注目の対戦カードでは神巧也(ファースト・千葉)と木造勇人(関西卓球アカデミー・埼玉)の試合がフルゲームの大激戦にもつれ込み、7-10から4度のマッチポイントを凌いだ神がゲームカウント3-2で勝利をもぎ取った。

「トーナメントはまだこれからですが、この試合だけで考えたら大満足。彼(木造)に勝つためにいろいろ準備をしてきた1カ月だったので。自分が持っている手数とやってきたことをフルに出して勝てて本当に嬉しいです」

そう語る神は今年3月で32歳。ベテランと呼ばれることに対して、「普通でしょって思います。まだまだ俺ら強いぞって。自分自身、同じ世代にも先輩方にも勝ちたいと思うし、若手にもまだまだ勝ちたいと思う」とモチベーションの高さをアピールした。

一方、惜しくも敗れた木造は「神さんとの試合が山場だと思っていた。そこを勝てなかったのは悔しい。悔いが残る」と意気消沈。「相手の逆を突こうと思っていたが、うまくハマらなくて、思うような試合展開にできなかった。2-2の10-7でリードしていて逆転されてしまったので勝ち切る力がなかったんだと思う。また出直すしかないです」と悔しさをにじませた。

2021年全日本王者の及川瑞基(岡山リベッツ・大阪)と曽根翔(T.T彩たま・埼玉)の一戦も注目を集めた。ゲームカウント3-1で勝ったのは曽根。第1ゲームは及川が競り勝ったものの、第2ゲーム以降は波に乗れず、逆に曽根が得意のチキータとロングサーブを軸にペースを握った。敗れた要因のひとつにレシーブを挙げた及川。「相手のチキータとロングサーブに対応できず、そこに固執しすぎた。自分のサーブの時に自信がなくなって悪循環になってしまった」と肩を落とした。


日本肢体不自由者卓球協会の推薦枠で初出場を果たしたパリパラリンピック代表の舟山真弘(早稲田大・東京)は大会初日の男子シングルス2回戦を突破して3回戦に進んだ。しかし、烏田東(呉青山高・広島)に0-3のストレート負け。

「ゲーム前半の出だしが悪くて、パラリンピックでもサーブミスから負けてしまった。自分の中でサーブに自信がなくて、どうしてもミスが出てしまう」と舟山。本来の持ち味はサーブからの3球目攻撃だが、フリーハンドの右腕に障がいがある影響でサーブの安定感が課題。パリパラリンピック以降、サーブの強化に取り組んでいるといい、「(サーブを)出す位置を変えたり回転量を上げたり、一つ一つの質を上げられるように練習しています」と課題を口にしたが、「自分から攻撃してからの得点率は高かったんじゃないかな」と自信になった部分にも言及している。


女子シングルス3回戦は、パリオリンピック女子団体銀メダリストの平野美宇(木下グループ・神奈川)を姉に持つ平野亜子(都留文科大・山梨)が村田咲紀 (Spe than・兵庫)にゲームカウント1-3で敗退。

前日の2回戦、マッチポイントを握られてからの大逆転勝利で弾みをつけたが、自身が昨年果たせず目標にしていた3回戦突破はならなかった。特に「2ゲーム目、9-10まで行ってデュースに持っていけなかったのが一番悔しい」と平野。「でも“自分超え”をしたかったので1ゲーム取ろうと思って第3ゲームを取れたのは良かったです」と自身の成果についても振り返っている。


今大会の女子シングルス最年少となる11歳211日で注目を集めた小学5年生の松島美空(京都カグヤライズ・京都)は牧野美玲(星槎高横浜・神奈川)にゲームカウント1-3で3回戦敗退。しかし、ジュニア女子では2回戦を突破し、3回戦に駒を進めている。


引退のため全日本選手権のシングルスは今大会が最後の出場となる梅村優香(サンリツ・東京)は3回戦で栗山優菜(桜丘高・愛知)に0-3のストレートで敗れた。試合後、涙を流した梅村だが1月30日に開幕するダブルスの部にも出場するため、そこでの雪辱が期待される。

大会3日目の23日(木)はいよいよスーパーシードが登場。男子シングルスには前年王者の張本智和(智和企画・宮城)、女子シングルスには前年女王の早田ひな(日本生命・福岡)らが試合に臨む。