1月26日、2022年全日本卓球選手権大会3日目が行われた。
大会3日目は混合ダブルスとジュニア男女でベスト4が決定したほか、男女シングルスの1~3回戦が行われた。
混合ダブルス
混合ダブルスでは第一、第二シードがともに敗退する中、張本・早田組や田添・張本組ら実力ペアが準決勝進出を決めた。
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ジュニア男子
ジュニア男子シングルスは4回戦から準々決勝までが行われ、ベスト4が決定した。
世界ユースU15でシングルス、ダブルス、混合ダブルスの三冠を獲得した第二シードの松島輝空(星槎中)は徳田幹太 (野田学園高)と対戦。2ゲームを先取するも、徳田の両ハンド攻撃に苦しみ、今大会のジュニア男子シングルスで初めてゲームを落とした。ゲームカウント2-1で迎えた第4ゲーム、ギアを入れ直して積極的に攻め、11-6で勝利し、準決勝に進出した。
第一シードの鈴木颯(愛工大名電高)は浅見勇志(希望が丘高)と対戦。フルゲームまでもつれるも、最後は積極的な攻撃で得点を重ねて11-3で勝利。続く5回戦では梅村友樹(明徳義塾中・高)を3-1で下し、準々決勝に進出した。準々決勝では岩井田雄斗(野田学園高)と対戦。岩井田の攻撃を中陣からカウンターするなど鮮やかなプレーを披露し、3-1で勝利した。
2019年度全日本ジュニア男子優勝の吉山僚一(愛工大名電高)は4回戦で全国中学校ベスト8の渡部を下して勢いに乗る藤元駿(明徳義塾中・高)とのフルゲームの接戦を切り抜け、5回戦では吉山和希(愛工大名電中)との兄弟対決を制した。準々決勝ではインターハイベスト8の飯村悠太(野田学園高)と対戦。飯村を全く寄せ付けず、ストレート勝ち。準決勝進出を決めた。
高橋航太郎(実践学園高)が棄権したブロックを勝ち抜いた三木隼(野田学園高)は、準々決勝で全国中学校準優勝の坂井雄飛(愛工大名電中)と対戦。第3ゲームを奪われ、第4ゲームもジュースに持ち込まれるも、最後はフォアハンドドライブを打ち込み、13-11で勝利。27日の準決勝へと駒を進めた。
27日の準決勝の組み合わせは以下の通り。
鈴木颯(愛工大名電高)-吉山僚一(愛工大名電高)
三木隼(野田学園高)-松島輝空(星槎中)
ジュニア女子
4回戦で共に世界で活躍する世界ユースU19シングルス3位の小塩遥菜(JOCエリートアカデミー/星槎)と全国中学校大会王者で世界ユースU15四冠の張本美和(木下アカデミー)が激突。第1ゲームはジュースにもつれるも、バックハンドドライブでチャンスを作り、厳しいコースへフォアハンドを打ち込んで張本が2ゲームを先取。後がない小塩はカットと攻撃を織り交ぜて1ゲームを取り返すも、気合を入れ直した張本が最後はフォアハンドスマッシュで打ち抜き、ゲームカウント3-1で勝利した。5回戦に進出した張本は、東京五輪女子日本代表・平野美宇の妹である平野亜子(甲府西高)と対戦。平野の変化の激しいバックハンドを落ち着いて攻略し、3-0で圧倒した。6回戦では赤江夏星(香ヶ丘リベルテ高)と対戦。同日に行われた女子シングルスで庄司有貴(中国電力)を下すなど好調の赤江のフォアハンドを上手く捌き、3-1で勝利。準決勝進出を決めた。
世界ユースU19女子シングルス準優勝の木原美悠(JOCエリートアカデミー/星槎)は東川陽菜(進徳女子高)、矢島采愛(正智深谷高)をストレートで下し、準々決勝で首藤成美(希望が丘高)と対戦。怒涛の攻めで主導権を渡さず、3-0勝ち。3回戦から準々決勝まで全て3-0で準決勝進出を決めた。
由本楓羽(香ヶ丘リベルテ高)は小塩悠菜(星槎中)を3回戦で下した青井さくら(明徳義塾中・高)と対戦。第1ゲームを奪われるも、その後3ゲームを連取して勝利。準決勝進出を決めた。明日の準決勝では張本美和(木下アカデミー)と対戦する。
2021年カデット14歳以下ベスト8の面手凛(山陽学園中)は準々決勝で原芽衣(四天王寺高)と対戦。フルゲームに持ち込まれるも、回転量のあるバックハンドドライブからの連続攻撃で突き放し、11-4で勝利。準決勝へと駒を進めた。準決勝では木原美悠(JOCエリートアカデミー/星槎)と対戦する。
準決勝の組み合わせは以下の通り。
由本楓羽(香ヶ丘リベルテ高)-張本美和(木下アカデミー)
面手凛(山陽学園中)-木原美悠(JOCエリートアカデミー/星槎)
男子シングルス
男子シングルス1回戦には全国中学校ベスト8の渡部民人(星槎中)が登場。今大会混合ダブルスベスト16の中村廉(原田鋼業)にゲームカウント0-2まで追い込まれるも、逆転勝ち。3回戦では三部航平(シチズン時計)との試合をフルゲームジュースで制した松下大星(クローバー歯科カスピッズ)と対戦。日本式ペンホルダーの松下の両ハンド攻撃に圧倒され、0-3のストレート負け。4回戦進出は果たせなかった。
2回戦からは元日本代表の松平健太(ファースト)が登場。松下海輝(日鉄物流ブレイザーズ)と対戦した。勢い良く攻める松下の攻撃に苦しみ、ゲームカウント2-2まで持ち込まれるも、最後は11-6で振り切った。3回戦では実業団で活躍する上村慶哉(シチズン時計)と対戦。上村の豪打を上手く捌き、2ゲームを先取。第3ゲームを奪われるも、最後はフォアハンドで強気に攻めた松平がゲームカウント3-1で勝利を収めた。4回戦に駒を進めた。
平野友樹(協和キリン)は星優真(東山高)、カット主戦型の築地佑太(蝶友クラブ)をストレートで下し、4回戦進出。ベンチにはロンドン五輪女子団体銀メダリストの平野早矢香氏が控え、アドバイスを送っていた。4回戦では2020年全日本ジュニア優勝の吉山僚一(愛工大名電高)と対戦予定。
田口隆(ねや卓球クラブ)を1回戦で下した前出陸杜(高田高)は有延大夢(琉球アスティーダ)と対戦。中国式ペンホルダーから繰り出す両ハンド攻撃でフルゲームに持ち込むと、最後は有延のバックサイドを裏面バックドライブで抜き去り、11-9で勝利した。続く3回戦では竹内佑(筑波大)と対戦。ラリー力の上回る竹内に終始主導権を握られてしまい、0-3のストレート負け。4回戦進出はならなかった。
世界ユースU15でシングルス、ダブルス、混合ダブルスの三冠を獲得した第二シードの松島輝空(星槎中)は加山雅基(愛工大名電高)を3-1、ジュニア男子シングルスで渡部を下して勢いに乗る藤元駿 (明徳義塾中・高)を3-1で下し、4回戦進出を決めた。4回戦では郡山北斗(リコー)と対戦する。
田添健汰(木下グループ)は、2回戦でカット主戦型の吉田俊暢(中央大)を力強いフォアハンドドライブで下すと、3回戦では渡辺凱(國學院大)と対戦。第2ゲームを落とすも、危なげない内容で勝利。4回戦では小林広夢(日本大)と対戦する。
松平賢二(協和キリン)は手塚元彌(法政大)と対戦。粘る手塚に第3ゲームをジュースで取られるも、最後はきっちり締めて11-4で勝負あり。3回戦進出を決めた。3回戦では水谷良紀(JR北海道)にストレート勝ち。藤村友也(日鉄物流ブレイザーズ)の待つ4回戦へと駒を進めた。
世界ユースU19混合ダブルス優勝の篠塚大登(愛工大名電高)は野宮健人(日本大)、鈴木柊平(遊学館ジュニア)をストレートで下し、4回戦に駒を進めた。4回戦では丹羽孝希との天才サウスポー対決が予定されている。
大矢英俊(ファースト)は2回戦で芝優人(関西学院大)をストレートで下すと、3回戦で宮川昌大(明治大)と対戦。気迫溢れるプレーでフルゲームに持ち込むと、最後はフォアハンドカウンターを決め、11-8で勝利し、ベテランの存在感を示した。
女子シングルス
2019年全日本ジュニア女王の出澤杏佳(専修大)が1回戦に登場。渡部真優(新潟大)を変幻自在の攻撃で翻弄し、2回戦進出を決めた。続く2回戦で昨年度全日本ジュニアベスト4の白山亜美(明徳義塾中・高)を3-1で下すも、3回戦で山本真由(同志社大)に1-3で敗戦。4回戦進出はならなかった。
中学生準王者でTリーグにも参戦中の篠原夢空(貝塚第二中)は2回戦から登場。岡野華奈(松商学園高)を3-1で下し、3回戦に進出した。3回戦では杉田陽南(早稲田大)にストレート勝ち。明日の4回戦では徳永美子(十六銀行)と対戦する。
全国中学校大会王者で世界ユースU15四冠の張本美和(木下アカデミー)は出雲美空(エクセディ)と2回戦で対戦。左利きの出雲の速攻が止められず、1-3で敗戦。3回戦進出は果たせなかった。
2回戦で村田咲紀(関西学院大)にストレート勝ちを収めた小塩遥菜(JOCエリートアカデミー/星槎)は3回戦で本井明梨(同志社大)と対戦。序盤から本井にパワフルなフォアハンドドライブを打ち込まれ続け、ゲームカウント0-2まで追い込まれてしまう。後がなくなった小塩が、カットをバック深くに丁寧に集めて本井の強打を防ぐ戦術で2-2に追いつくも、最後は息を吹き返した本井に強打をミドルに集められ、万事休す。7-11で敗北した。
永尾尭子(サンリツ)は2回戦で今大会ジュニア女子ベスト4に進出した面手凛(山陽学園中)と対戦。ゲームカウント1-2から逆転勝ちを収め、3回戦に進出した。続く3回戦では庄夏海(秋田県庁)にストレート勝ちし、4回戦進出を決めた。明日の4回戦では木原美悠(JOCエリートアカデミー/星槎)と対戦する。
今年度限りでの引退を表明している庄司有貴(中国電力)は、3回戦で朝田茉依(ロータス)とのカット対決を制し、赤江夏星(香ヶ丘リベルテ高)と対戦。赤江の怒涛の攻撃にゲームカウント1-2まで追い詰められてしまう。迎えた第4ゲーム、マッチポイントを何度も防いだが、最後は15-13で赤江が勝利した。続く4回戦で赤江は早田ひな(日本生命)と対戦する。
2013年世界選手権パリ大会女子シングルスベスト32の松平志穂(サンリツ)は2回戦で牧野里菜(遊学館高)、3回戦で枝廣瞳(神戸松蔭女子学院大)を下し、4回戦進出。4回戦では中畑夏海(デンソー)と対戦する。
大会4日目見どころ
大会4日目は混合ダブルス、ジュニア男女の準決勝・決勝が行われ、3種目で優勝が決まる。男女シングルスおよび男女ダブルスでは4回戦が予定されており、いよいよスーパーシードが登場する。
混合ダブルス
混合ダブルスは準決勝から決勝までが行われる。第一シードの上村・阿部組(シチズン時計・デンソー)を準々決勝で完封した、同種目で過去2度優勝の田添健汰を擁する田添・張本組(木下グループ・木下アカデミー)は吉村・鈴木組(愛知ダイハツ・昭和電工マテリアルズ)と対戦する。世界選手権混合ダブルス銀メダリストの張本・早田組(木下グループ・日本生命)は準決勝で宇田・木原組(明治大・JOCエリートアカデミー/星槎)と対戦する。苦戦しつつも粘り勝ちを続ける張本・早田組と、ここまで盤石の勝ち上がりを見せる宇田・木原組の対決はどのような展開になるか予測不能。
また、張本智和と張本美和は決勝で対決する可能性があり、混合ダブルス史上初の決勝での兄妹対決実現となるか。
ジュニア男子
ジュニア男子は準決勝・決勝が行われ、2022年全日本ジュニア男子優勝者が決定する。
第一シードの鈴木颯(愛工大名電高)は2020年全日本ジュニア男子優勝の吉山僚一(愛工大名電高)と準決勝で対戦する。インターハイベスト8の飯村悠太(野田学園高)を完封した吉山の両ハンドのパワードライブにどう対処するのか。
準々決勝で今大会のジュニア男子で初めてゲームを落とすも、盤石の強さで勝ち上がった第二シードの松島輝空(星槎中)は、準々決勝で坂井雄飛(愛工大名電中)を下した三木隼(野田学園高)と対戦する。ハイレベルな左腕対決を制するのはどちらか、注目が集まる。
ジュニア女子
ジュニア女子は準決勝・決勝が行われ、2022年全日本ジュニア女子優勝者が決定する。
張本美和(木下アカデミー)は由本楓羽(香ヶ丘リベルテ高)と対戦する。サウスポーから繰り出す由本の攻撃をどう捌くのか。
第二シードから初優勝を狙う木原美悠(JOCエリートアカデミー/星槎)は原芽衣(四天王寺高)とのフルゲームを制して勝ち上がってきた面手凛(山陽学園中)と対戦する。ここまでオールストレートで勝ち上がっている木原だが、このまま優勝まで突っ走れるか、それとも快進撃を続ける中学2年生・面手が待ったをかけるか。
男子シングルス
男子シングルスは4回戦が行われる。スーパーシードで前年度優勝の及川瑞基(木下グループ)や準優勝の森薗政崇(BOBSON)、𠮷田雅己(木下グループ)らが初戦を迎える。他にも今年度社会人王者の上田仁(T.T彩たま)、昨年に引き続き種目最年長ながらも2度の優勝経験を持つ小西海偉(東京アート)、2大会連続五輪メダリストの丹羽孝希(スヴェンソンホールディングス)、昨年ノーシードからベスト8まで駆け上がった異色のオールラウンダー英田理志(愛媛県競対)らも初戦を迎える。
女子シングルス
女子シングルスは4回戦が行われる。3大会連続五輪メダリストの石川佳純(全農)は歴代3位6回目の優勝を目指す。過去2度の優勝経験があり、昨年8月の東京五輪では金銀銅あわせて3つのメダルを獲得した伊藤美誠(スターツ)、アジア選手権では日本勢として47年ぶりの三冠を達成した早田ひな(日本生命)、団体銀メダルに貢献し、女子最年少優勝記録をもつ平野美宇(日本生命)の戦いぶりに注目である。
男子ダブルス
男子ダブルスは4回戦が行われる。第一シードの江藤・松下組(クローバー歯科カスピッズ)や池田・宮本組(リコー)、全日本社会人王者の平野・松山組(協和キリン)、今シーズンTリーグで好調の大島祐哉を擁する大島・田添組(木下グループ)らが初戦に登場する。
江藤・松下組は全日本ジュニア優勝経験者ペアの濵田・吉山組(愛工大名電高)と対戦。勢い盛んな若い世代の進撃を止められるか。
女子ダブルス
女子ダブルスは4回戦が行われる。第一シードの伊藤・早田組(スターツ・日本生命)や塩見・梅村組(ミキハウス・中央大)、長﨑・木原組(日本生命・JOCエリートアカデミー/星槎)らが初戦を迎える。東京五輪代表同士のペアである石川・平野組(全農・日本生命)は今大会の初戦を迎える。女子団体銀メダルを獲得した東京体育館での凱旋試合を飾れるか。
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