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周年事業 2022.06.07
日本卓球協会90周年 功労者インタビュー 鈴木一さん

鈴木一【日本卓球協会】


2021年に創立90周年を迎えた日本卓球協会は全国47都道府県に点在する協会および連盟、そして36万人に迫る登録会員(2019年度)によって成り立っています。そこで各協会・連盟の安定的な運営や大会運営、練習環境の整備、若年層の育成、シニア層を含む生涯スポーツの普及まで、長年、卓球振興に貢献してこられた功労者の皆さまをご紹介するとともに、お寄せいただいた100周年につながる提言をお伝えして参ります。

(インタビュアー:高樹ミナ/スポーツライター)

卓球優先の人生。周年事業は先人に感謝をする機会

鈴木一さん
神奈川県卓球協会 理事長

好きでやってきた卓球で功労者として認めていただけたことを大変光栄に存じます。大学を卒業した後、神奈川県横須賀市にある私立高校の三浦学苑で体育の教員になった関係で、横須賀卓球協会を皮切りに私の役員生活が始まりました。もう半世紀になります。

教員の道を選んだのは、生活のそばに卓球を置きやすいと思ったからです。それほど学生時代から卓球が好きで好きでたまりませんでした。卓球にのめり込んだのはひょんなことから。山形県内の小学校6年生のとき、代用教員の先生が東京に教員免許を取るための研修に出かけ、どういうわけか卓球のラケットとボールを土産に買ってきてくれたのです。それで休み時間になると図工室にすっ飛んで行って、工作代を卓球台に見立て勝ち抜き戦をやる。それが楽しくて楽しくて、中学校に上がったら卓球部に入ると決めていました。私どもの世代は第一次ベビーブームで子どもが多く、教員の数が不足していたため、高校を卒業した地元の若い人がクラス担任をもったりする時代でした。

さいわい私は運動が得意でスポーツは何でもこなしましたから、卓球もすぐに上達し、どんどん面白くなっていきましたけれども、いわゆる器用貧乏というのでしょうか。何か大きなタイトルを取るとか全日本ランキング選手になるようなことはありませんでした。インターハイに出たこともなかったので、自分が三浦学苑高校卓球部の指導を始めてちょうど10年目、教え子たちが団体でインターハイに出場したときには、開会式で入場行進する雄姿に胸を熱くした記憶が今でも鮮明に残っております。赴任当時、三浦学苑高校は県下で1~2番を競う卓球の伝統校でしたが、私が顧問になったときは前任の監督がお辞めになって2、3年が経ち、有望な選手が集まらないような状況でした。それでも選手たちには頑張って這い上がろうという伝統校の意地があり、それが大きな財産となり、関東大会や全国大会を目指す常連校になりました。
  
一方、神奈川県卓球協会に理事としてお世話になってから50年ほどたちますが、2013、2014年ジャパンオープン荻村杯、2017、2018年アジアカップを横浜文化体育館で開き、競技委員長として微力ながら尽力させていただきました。また、2009年世界選手権横浜大会の折りにも総務部長としてお務めさせて頂きました。その他、財政の安定化、事務局設置、法人化に係る新体制の準備等に理事の皆さんと共に真剣に取り組んできました。
  
神奈川県は東京都に次ぐ人口の多い県です。日本卓球協会登録会員数も全国1を何度か経験し、今でも全国トップクラスの登録会員数を堅持しております。神奈川県卓球協会は、横浜、川崎、相模原といった政令指定都市を含めた20の支部協会と3連盟(中体連・高体連・レディース)と連携しています。ここの充実がなければ神奈川卓球協会の発展はないと考えています。神奈川県卓球協会は2024年に創立100周年を迎えます。記念すべき100周年の記念事業は、卓球を愛し、情熱を傾けてこられた方々や、すでにお亡くなりになった方々に感謝し、また、これから世界に羽ばたこうとする未来の選手達に夢と希望をもって頂けるものでなくてはなりません。それには、山口会長をはじめとする神奈川県卓球協会役員一同は一致協力して100周年記念事業が輝く時代の幕開けとなるようにしたいと考えております。